リハビリ1

PT

去年の1月に脳梗塞になった。
夕飯を19時位に食べて、眠くなたので寝て、11時位に起きたら、もう、脳梗塞
パソコンを動かそうとしたがマウスのクリックが出来ない。
おかしい。
右手が冷たい。
寒さで凍えて動かなくなったかと思い、風呂に入る。
右手をマッサージし続けるが、だめだ。
特に親指と人差し指が動かない。
風呂から出て、パソコンに向かうがログオンのパスワードが思い出せない。
いや、思い出せるのだが、言葉に出来ない。
アルファベットが分からない。
これはまずいと思って、実家に電話する。(当時は松戸で一人暮らしだった)
電話番号は携帯のアドレス帳に入っていたので電話できた。
しかし、声がうまく出ない。
なぜだ。おかしい。


「からだがおかしい」


と、なんとか伝えた。
実家は浦安で距離もあるから、両親は救急車を呼んでくれた。
取りあえず、保険証と当時かかっていた病院の診察券をもって救急車にのった。
右手が動かない、言葉が出ないと言うことをいったら脳梗塞だと隊員の声が聞こえた。
実家の電話番号も住所も思い出せない。


病院に着いたら、点滴を打たれて、MRIを撮った。
両親が来て挨拶をした。
うとうとしたら、朝になった。


主治医の先生が何か言ったが良く覚えてない。
ボールペンを胸ポケットから抜いて
「これはなんですか?」
「ボールペン」
と答えたのと、
「リハビリをやりましょう」
「今日からですか?」
「今日からです」
といったやり取りがあったのは覚えている。


心臓に問題あった時も、糖尿病になった時も、なんとかなるという気でいた。
脳梗塞も。


PTの先生が午後に来た。
若い女の先生だ。
まずは状態を調べる。
ベッドの上で身体の動きをみると言うことで、左足、左手を見る。
問題無い。
次に右足。
右足は歩いて救急車に乗ったからまあ、大丈夫そう。
次に右手。
全然、だめだ。
これ程動かないとは。
自然と涙が出た。
声を出して泣いた。
舌に麻痺があるので押さえようとしても声が出てきてしまう。
子供の泣き声の様な声だ。
子供の頃から泣き声をあげで泣いた記憶が無い。
しゃくりあげる自分に驚くが、涙は止まらない。
若い女の前で泣き続ける自分を恥ずかしいと思うが、涙が止まらない。
絶望の涙。